特定入所者介護サービス費(補足給付)
What is|特定入所者介護サービス費とは?
簡単に言うと
特定入所者介護サービス費とは、何ですか?
簡単に言うと「所得や資産が一定以下の場合、介護施設での食費などを減額できる制度」です。
重要ポイント3選
お金に余裕がある人は利用できません。年金生活で収入が少なくても、預貯金が潤沢にある場合も利用できないのでご注意ください。
以下の7つで利用できる制度です。
- 介護老人福祉施設(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特養)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
有料老人ホームやサ高住は対象外です。
この他に、介護サービスそのものの基本料金がかかります。また、歯ブラシなどの日用品代や、必要に応じて追加オプション料金もかかる場合があります。
ちなみに、施設サービスでは居住費、ショートステイでは滞在費という言葉が用いられていますが、両者とも1日あたりの施設利用費+水道光熱費のことです。
定義
- タップで確認
-
市町村は、要介護被保険者のうち所得及び資産の状況その他の事情をしん酌して厚生労働省令で定めるものが、次に掲げる指定施設サービス等、指定地域密着型サービス又は指定居宅サービス(以下この条及び次条第一項において「特定介護サービス」という。)を受けたときは、当該要介護被保険者(以下この条及び次条第一項において「特定入所者」という。)に対し、当該特定介護サービスを行う介護保険施設、指定地域密着型サービス事業者又は指定居宅サービス事業者(以下この条において「特定介護保険施設等」という。)における食事の提供に要した費用及び居住又は滞在(以下「居住等」という。)に要した費用について、特定入所者介護サービス費を支給する。ただし、当該特定入所者が、第三十七条第一項の規定による指定を受けている場合において、当該指定に係る種類以外の特定介護サービスを受けたときは、この限りでない。
一 指定介護福祉施設サービス
二 介護保健施設サービス
三 介護医療院サービス
四 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
五 短期入所生活介護
六 短期入所療養介護
介護保険法 第51条の3
具体例
介護老人福祉施設(特養)のユニット型個室に1ヶ月(30日)入所した場合の料金を考えてみます!
通常料金は以下の通りです!
- 食費:1,445円×30日=43,350円
- 居住費:2,006円×30日=60,180円
- 合計:103,530円
一方、特定入所者介護サービス費を利用した場合、最も減額される第1段階の方では以下の料金になります!
- 食費:300円×30日=9,000円
- 居住費:820円×30日=24,600円
- 合計:33,600円
つまり、特定入所者介護サービス費を利用することで、月額69,930円費用を抑えることができます!
Who|誰が利用できますか?(対象・対象外)
利用できる人(前提条件)
特定入所者介護サービス費はどんな人が利用できますか?
特定入所者介護サービス費は、次の3つの条件を満たしている人が利用できる制度です!
- 要介護認定を受けている
- 施設サービスあるいはショートステイを利用している
- 所得と資産が一定以下
- これらの額に応じて、減額の度合いが変わります。詳しくはこちらをご確認ください。
この条件を満たしたとき、食費と居住費(滞在費)を減額できます!
対象(介護費用)
特定入所者介護サービス費は、どんな介護費用が対象ですか?
特定入所者介護サービス費が利用できるのは、以下の7つの介護サービスです!
- 介護老人福祉施設(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(地域密着型特養)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
これらの介護保険サービスを利用したとき、食費と居住費(滞在費)を減額できます!
対象外(介護費用)
特定入所者介護サービス費を利用できないのはどんなときですか?
先に紹介した介護保険サービス以外は対象外です!具体的には以下サービスでは利用で来ません!
また、食費と居住費(滞在費)以外の費用も対象外です!
居宅サービス
訪問サービス
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- 訪問入浴介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
通所サービス
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
その他
- 特定施設入居者生活介護
- 福祉用具貸与
地域密着型サービス
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 地域密着型通所介護
- 療養通所介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護(小多機)
- 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(看多機・旧複合型サービス)
青いマーカーを引いてあるものは、要支援者も利用できるサービスです!
When|いつ利用できますか?(タイミング)
いつから(適用タイミング)
特定入所者介護サービス費はいつから利用できますか?
特定入所者介護サービス費の申請を行った月の初日から適用されます!つまり、7月12日に申請を行った場合、7月1日に遡って、7月分全てが対象となります!
申請を行わないと特定入所者介護サービス費は利用できないので注意しましょう!
支払い済みの介護費用
特定入所者介護サービス費は支払い済みの介護費用にも使えますか?
特定入所者介護サービス費の申請を行った月の分であれば、支払い済みの食費・居住費(滞在費)も対象となります!
申請を行う前の月の分は対象外です!そのため、こちらの条件を満たしているなら、できるだけ早めに申請を行いましょう!
時系列
関連する制度も含めて、利用の順番はこんな感じです!
介護保険を利用した介護サービスを利用したい場合は、要介護・要支援認定の取得が必須です。
介護保険サービスの利用には、ケアプランの作成が必須です。無料で作成できるので、ケアマネさんに作ってもらいましょう。
ケアプランにしたがって介護保険サービスが利用できます。
所得が低い場合、特定入居者介護サービス費が利用できます。
施設サービスやショートステイなどを利用する場合、食費等を減額することができます。
月ごとの自己負担額の上限を超えるようになると利用できます。
Where|どこで相談できますか?(窓口)
相談窓口
特定入居者介護サービス費について相談したいときはどうしたらいいですか?
特定入居者介護サービス費について困ったことがある場合は、以下の場所で相談することができます!
- 市区町村窓口
- 担当ケアマネ
Why|なぜ利用するのですか?(メリット)
メリット
特定入居者介護サービス費のメリットは何ですか?
高額介護サービス費制度のメリットは、介護費用を抑えられることです!人によっては月額7万円ほど安くなることがあります!
一旦、要介護・要支援認定を受けると、介護保険サービスを利用し続けることがほとんどです!介護が長期化することも多いため、長い目で見ればかなり大きな額を節約することができます!
デメリット
特定入居者介護サービス費のデメリットは何ですか?
デメリットはありません!
制度の対象なら積極的に利用しましょう!
How|どうやって利用しますか?(申請方法)
申請方法
特定入居者介護サービス費は、どうやって申請すればいいですか?
申請の流れを以下のフローチャートに示します!
必要書類を提出しましょう。
兵庫県明石市などでは即日で審査が行われます。
審査期間は各市区町村ごとに異なります。
申請した月の頭に遡って利用が開始されます。
申請費用
申請するのにお金はかかりますか?
かかりません!
必要書類
特定入居者介護サービス費の申請に必要になるものはありますか?
申請には以下の5つの書類が必須となります!
- 介護保険負担限度額認定申請書
- 本人と配偶者の資産が確認できるもの(直近2ヶ月以内のもの)
- 証券会社や銀行の口座残高がわかるもの(必要に応じて)
- 運転免許証などの本人確認書類
- マイナンバーがわかる書類
他にも、状況に応じて様々な書類が必要なることがあるので、市区町村の役場で聞いてみてください!
代理申請
特定入居者介護サービス費の手続きは、家族の代理でできますか?
できます!ただし、委任状が必要となることがあります!
有効期限
特定入居者介護サービス費の有効期限はありますか?
有効期限は、8月1日から翌年の7月31日までです!8月を過ぎて申請した場合も、翌年の7月31日までが有効期限となります!
更新
特定入居者介護サービス費の更新はありますか?
1年ごとに更新が必要です!
制度を利用している場合、7月頃に更新の案内所が届くので、忘れずに更新手続きを行いましょう!
所得制限
特定入居者介護サービス費に所得制限はありますか?
特定入居者介護サービス費では、所得によって上限額が設定されています!
以下の表にまとめていますのでご確認ください!
利用者負担区分
設定区分 | 所得状況 | 預貯金総額 |
---|---|---|
第1段階 | 生活保護等を受給している | 要件なし |
第2段階 | 世帯全員が住民税非課税で、 本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円以下 | 単身650万円以下 夫婦1,650万円以下 |
第3段階(1) | 世帯全員が住民税非課税で、 本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円超120万円以下 | 単身550万円以下 夫婦1,550万円以下 |
第3段階(2) | 世帯全員が住民税非課税で、 本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が120万円超 | 単身500万円以下 夫婦1,500万円以下 |
厚生労働省HPより
預貯金に含まれるものは以下の5種類です!
- 預貯金
- 有価証券(株式・国債・地方債・社債など)
- 金銀(積立購入を含む)など購入先の口座残高によって時価評価額が容易に把握できる貴金属
- 投資信託
- 現金(タンス預金)
このうち、現金に関しては自己申告となります!他の資産については、口座残高などで申告が必要になります!
また、家財や自動車、絵画、骨董品などの時価評価額の判断が難しいものについては、預貯金には含まれません!
年齢制限
特定入居者介護サービス費に年齢制限はありますか?
特定入居者介護サービス費は介護保険が利用できる人であれば使える制度です!つまり、40歳以上が対象となります!介護保険制度では、年齢によって次のように分けられています!
- 第1号被保険者:65歳以上の人
- 第2号被保険者:40歳以上65歳未満の医療保険加入者
第1号被保険者が介護サービス利用のほとんどを占めています!
回数制限
特定入居者介護サービス費は、回数制限はありますか?
ありません!更新を行えば何回でも利用できます!
注意点
特定入居者介護サービス費に何か注意することはありますか?
いくつか注意点があります!
- 申請が必要
- 制度の対象であっても申請して初めて利用できる制度です。
- 食費と居住費(滞在費)のみが対象
- 介護サービスそのものの基本料金や日用品の費用は対象外です。
- 介護サービスそのものの料金は、高額介護サービス費を利用することで減額できる場合があります。
- 負担上限額が変わる場合がある
- 前年度の所得に応じて上限額が決定されます。
- 息子、娘などと同居すると利用できなくなることがある
- 利用者本人が非課税でも、息子、娘などの同居家族に課税所得があると、住民税非課税ではなくなります。その場合、制度の対象外になります。
- 虚偽申告して利用した場合の罰則が大きい
- 不正受給した額の3倍を支払う必要があります。
- 正直に申告しましょう。
How Much|いくら得しますか?(節約効果)
「いくら」介護費用が安くなりますか?
特定入居者介護サービス費はいくら安くなりますか?
利用する介護サービスや利用者の負担区分によって異なります!
以下の表に自己負担額をまとめます!負担区分については、こちらをご確認ください!
介護老人福祉施設(特養)、ショートステイの場合の日額
通常料金 (日額) | 負担限度額(日額)【】はショートステイの場合 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | |||
食費 | 1,445円 | 300円 | 390円 【600円】 | 650円 【1,000円】 | 1,360円 【1,300円】 | |
居住費 | ユニット型個室 | 2,006円 | 820円 | 820円 | 1,310円 | 1,310円 |
ユニット型個室的多床室 | 1,668円 | 490円 | 490円 | 1,310円 | 1,310円 | |
従来型個室 | 1,171円 | 320円 | 420円 | 820円 | 820円 | |
多床室 | 855円 | 0円 | 370円 | 370円 | 370円 |
介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設(介護療養型医療施設)、医療型ショートステイの場合の日額
通常料金 (日額) | 負担限度額(日額)【】はショートステイの場合 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | |||
食費 | 1,445円 | 300円 | 390円 【600円】 | 650円 【1,000円】 | 1,360円 【1,300円】 | |
居住費 | ユニット型個室 | 2,006円 | 820円 | 820円 | 1,310円 | 1,310円 |
ユニット型個室的多床室 | 1,668円 | 490円 | 490円 | 1,310円 | 1,310円 | |
従来型個室 | 1,668円 | 490円 | 490円 | 1,310円 | 1,310円 | |
多床室 | 377円 | 0円 | 370円 | 370円 | 370円 |
上の表を見ながら、介護老人福祉施設(特養)のユニット型個室に1ヶ月(30日)入所した場合の料金を考えてみます!
通常料金は以下の通りです!
- 食費:1,445円×30日=43,350円
- 居住費:2,006円×30日=60,180円
- 合計:103,530円
一方、特定入所者介護サービス費を利用した場合、最も減額される第1段階の方では以下の料金になります!
- 食費:300円×30日=9,000円
- 居住費:820円×30日=24,600円
- 合計:33,600円
つまり、特定入所者介護サービス費を利用することで、月額69,930円費用を抑えることができます!
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